2016年6月27日月曜日

6/26 国民投票の結果を受けイギリスがEU離脱へ

6月24日日本時間13時過ぎ、EU離脱を巡るイギリスの国民投票の末、離脱派が残留派を僅差で上回ることが確実となりました。

前日23日には英国ブックメーカーの残留確率が90%、また国民投票直後の出口調査では残留優勢と報じられていたため、ポンドやドルが上昇するなど市場は残留決定を見越した動きをしていましたが、まさかのネガティヴサプライズとなりました。

離脱優位となった直後から各国の株価は大幅に下落、計2兆1000億ドル(約215兆円)が市場から消える事態となり、為替相場でもポンドやユーロが売られ、リスク逃避先である円が大量に買われたため、急激に円高が進んでいます。

日経平均 14,952.02(-1,286.33)
NYダウ 17,400.75(-610.32)
米ドル/円 102.313

英国EU離脱という結果を受けて、G7が緊急共同声明を発表、政府日銀も為替の急激な動きを注視すると牽制し、EUは加盟国への飛び火を抑えるためイギリスに対し離脱手続きの早期執行を求めています。
2010年にチュニジアから波及し、中東で一気に反体制運動が広まっていった「アラブの春」を思い出します。

イギリス国内でも、一昨年に国民投票で辛くもイギリス残留を決定したスコットランドで、イギリスからの独立によるEU残留を求める声が再燃しています。

イギリスは、EU加盟国でありながらユーロを採用せず独自通貨のポンドを使用していますし、EU内のヒトの行き来を自由化するシェンゲン協定にも加盟せず、また拠出金の支払いでも優遇されており、かなり自由な立場でEUの恩恵を受けていただけに、最終的に国民感情に決断を委ねた国民投票という選択は理解に苦しみます。

他にも、地政学で見た英国の立ち位置、かつてのオフショア・バランシング戦略と「栄光なる孤立」への回顧、世界的タックスヘイブン国家でEU非加盟国スイスとの比較、世界の金融の中心シティ街への影響など、書き足らないのですが長くなるので割愛します。

今後の為替市場の展望ですが、イギリスの混乱やEU内での離脱連鎖ドミノの恐れなど、世界をめぐる先行き不透明感から安全通貨である円が継続的に買われ、円高基調が続く可能性が高いでしょう。